[Cryptomator](https://cryptomator.org/) は、ファイル暗号化ソフトウェアの一つ。 クラウドに暗号化データを流し込む手段の一つとして使われているようだ。 PC版は無料で使えるが、正しく使わないとデータロスの要因になりそうなので、ざっとメモ。 > [!note] > - 2026-09 頃の情報です。 > - あくまで自分用です。**具体的な導入手順は書いてません。** 詳細については、一次情報や AI の参照をお勧めします。 > - [公式サイト](https://cryptomator.org/) > - [公式ガイド](https://cryptomator.org/guides/) > - [公式ドキュメント](https://docs.cryptomator.org/) ## 使ってみた感想 **ここが良い** - 無料で使える (PCのみ) - 仮想ドライブを経由し、リアルタイムに暗号化ができる - ファイルの内容だけでなく、ファイル名も暗号化してくれる - Vault がファイル単位で分割されてるので、一部ファイルだけ更新した場合、対応するファイルのみが上書きされる - このため、ファイル単位で同期するクラウドストレージとはそれなりに相性がよい - 対クラウド以外でのフォルダ暗号化目的でも活用できる **ここが難** - **クラウドストレージの付随サービスの恩恵が受けられなくなる** - Google Drive であれば、Webのドライブ検索や Gemini 連携など - クラウド・AI連携とプライバシー保護はトレードオフの関係にある - Vault が多数のファイル・フォルダで構成される - ファイルはエクスプローラーで移動・削除できてしまう。仮想ドライブを通さずに **直接触ってしまうと Vault が壊れる危険がある** - フォルダ毎にメタデータファイルが生成されるため、元のファイル数より増加する - 常時、仮想ドライブを介してアクセスしなければならないので、パフォーマンスが落ちる - 配置場所によってパフォーマンスが大きく左右される (後述) - デフォルトのファイル名 (ハッシュ化) 最大長が 220 文字に設定されており、少しでも深い階層に Vault 本体を配置してしまうと、暗号化されたファイルのパスが 260 文字を超えてしまい、不具合を誘発しやすい - 最大長は Vault 作成時に変更可能 (一度作ってしまうと変更不可) - スマホアプリは有料 **お薦めできない人** - **ファイルシステムの基本的な仕組みを理解してない** - ドライブ・フォルダ・ファイル・拡張子などの概念すら分からない人が、安易に導入するのは危険と感じる - 万一、暗号化ファイルを壊してしまうと、復旧が難しくなる - **クラウドストレージの基本的な仕組みを理解してない** - クラウドドライブのクライアントがどんなタイミングで同期を取ってるか? - ストリーミング (オンデマンド) と ミラーリング の扱いの違い - クラウドサービス毎の 1日 のアップロード量制限など - 👆この辺りが分かってないと、トラブルの元になりそう - 面倒なことや回りくどいことをしたくない - タイパを重視したければ、検閲サービスにわざわざ暗号化データを捻じ込むのではなく、初めから E2EE に対応したサービスを契約した方が良さげ - 手元に十分な量のバックアップストレージが無く、データはクラウドへ直投げしたい - E2EE 対応クラウドを使うか、 Rclone Crypt でダイレクトに暗号化転送した方が良いかも **お勧めできる人** - ファイルシステムやクラウドストレージの基本的な知識がある - クラウドストレージを持て余してる - 近年だと Gemini や Microsoft 365 などのオマケで大容量ストレージが付いてくる - 検閲やプライバシーに危機意識を持っており、クラウド使用をためらってしまう - クラウドの利便性を犠牲にしてでも、プライバシーを守りたいと考えてる人 - AIからセンシティブ判定されそうなファイルを所持している - ローカル側に十分な量のバックアップストレージはあるものの、災害などに備えてリスクヘッジしたい - いわゆる 3-2-1 バックアップルール と言われるもの。計 3ヶ所 にデータを置くスタイル - 多少時間がかかっても、出費を節約したい ## パフォーマンス どういう方法を取るかによって、読み書きのパフォーマンスが変わってくる。 **👍 高速** 1. ローカルのファイルシステム上に配置する (クラウドで常時同期はしない) 2. クラウドフォルダのミラーリング領域に配置する 3. クラウドフォルダのストリーミング (オンデマンド) 領域に配置し、Vaultフォルダを「オフラインで使用可」に設定する (データをローカルへ常に保持する) 4. クラウドフォルダのストリーミング領域に配置し、何も対策を講じない **👎 低速** 公式を見るにクラウドデータ保護目的の利用を想定しているようだが、何も考えずに **クラウドのストリーミング領域に配置すると、アクセス速度がかなり低下する** 。 > [!warning] > 仮想ドライブを使用するタイプ (Google Driveなど) の場合、ストリーミング領域に配置すると、Cryptomator の仮想ドライブ → クラウドの仮想ドライブ と **仮想ドライブを2つも経由** するため、パフォーマンスが著しく落ちる。 (Google Drive で確認済) ## 運用スタイル 以下の方法が考えられる 1. クラウドの同期フォルダ内に Vault を配置して、リアルタイムで同期させる 2. 普段使いは同期フォルダ外に置いておき、一定間隔でクラウド側へミラーリングする 公式の想定では 1 の方法がメインだと思われる。 しかし個人的にファイルの競合や同期エラーなどでファイルをロストするのが怖いのと、ファイルのバックアップ置場でしか Google Drive を使わないので、 2 の方法を取る事にした。 > [!note] > [公式ドキュメント](https://docs.cryptomator.org/desktop/sync-conflicts/) によると、クラウド同期の競合は想定範囲内と思われるため、ここまで神経質になる必要はないかもしれない。 ### 個人的運用 **1: PC上のユーザーデータ・NAS** (元データ) ↓ 定期実行でファイルバックアップ **2: バックアップ用のローカルストレージ** (Cryptomator・別メディア) ↓ 一定期間おきに Vault の暗号化ファイルをミラーリング **3: Google Drive** (クラウド) ファイルバックアップやミラーリングには BunBackup (ロングパス対応版) を選択した。 単に長年使い慣れているため。 ⇒ [[BunBackup設定メモ]]